『有罪判決/法廷に隠された真実』 
2005/09/16 ・ MOVIES
深夜の【KTV シネマTRIP】で観た法廷サスペンス。まだクレジット紹介のイントロで、洒落た雰囲気につい見入ってしまう。出だしから掴みオッケー! つまり演出がワタクシ好みってことです。ジャケ買いみたいなもんです。


movie.jpg【有罪判決/法廷に隠された真実】(1999・アメリカ)
THE CONFESSION (114分)
監督: デヴィッド・ジョーンズ
原作: ソル・ユーリック
脚本: デヴィッド・ブラック
出演: アレック・ボールドウィン、ベン・キングズレー、エイミー・アーヴィング、ジェイ・O・サンダース

裁判に勝つためなら手段を選ばない冷酷な弁護士ロイ(ボールドウィン)。医療ミスで死んだ息子の復讐で、医師らを殺害したユダヤ教徒ハリー(キングズレー)。ロイは、精神錯乱による凶行に仕立ててハリーを無罪にしようとするが・・。
(「TV BROS」9/15映画紹介欄から部分拝借)


え!なんでこれが劇場未公開作品なの? おもしろくない?? ネットにちらばる評価なぞ読みにいってみる。「まあまあ」とか、あまりよろしくない様子。うーん。単なる法廷ストーリーで観てしまうと、おもしろくないのかも。私はおもしろかったわ。でも謎もいっぱいあったわ。
おもしろい映画のときって、トイレに困る。なにげに見始めると、タバコも飲物も用意してないし。ちょっとの場面も見逃したくない。なので、CMになると忙しくバタバタ。(ビデオで見返すのはだるいし却下。見始めたら漏れなく最後までっ)

ハリーの妻サラに思わず注目。息子をなくし、夫が刑務所に入り、淋しいの、どうしていいかわからないの、すがるような涙目で弁護士ロイを誘っておきながら、「コーヒーをいただいてもいいかな」 部屋に入ろうとするロイに、「いけないわ・・いけないと思うの」。だあああああ!

でも関係しちゃうんですね。夫を愛しているけれど、肝心の夫ハリーは減刑を望まず、高潔な精神でもって自分と「亡くなった息子」のことしか考えていない。「わたしの息子でもあるのよ!」サラが叫んでも、ハリーの無表情はかわらない。一人で死んでいく決意も変わらない。

「なかったことにする?」とロイに聞きながら、一夜をともにしたサラは、公園のデート(?)で生き生きと元気に強くなっている。もう誘う必要はないから涙目はいらない。新たな頼れる男性を手に入れたサラ。が、ベタベタとまとわりつくはしゃいだ彼女に、ロイのはねつける一言。サラの平手打ちで別れる二人。サラだけ見ていると安いメロメロドラマのようだ。

一方、ロイはハリーを無罪にしようと画策していたが、真実とはなにか、正義とはなにか、罪を認めるとはなにか、ハリーに面会するたびに考えさせられ、謙虚になっていく。いたたまれなくなり、サラとの浮気を告白すると、ハリーはすでにサラから聞いて知っていた。サラはなぜ夫にうち明けたのか。「罪をみとめるものは許される」ハリーは認めるものを許す。もし、ロイが彼女を受け入れていたら、それでもサラは夫ハリーに真実を告白しただろうか。あっちがだめならこっちを確保。依存する女ってちゃっかりしてるわね。でも生きていくためなのよ。

ハリーの無罪には権力の裏取り引きが絡み、弁護士ロイの地方検事の椅子もかかっている。あくまでも有罪を主張するハリーには、もうひとつの真実、“精神錯乱”をでっちあげられては困る事実が隠されていた。ではなぜ、ハリーは最後の法廷で突然、錯乱の様子を見せたのか。ハリーに従うつもりで意志を覆し、真実のまま有罪にしようと決意したロイは困惑する。無罪にすることもできるし、有罪にすることもできる。選択はロイの手にゆだねられ・・。

法廷サスペンスというよりは、真実と正義をめぐる心の葛藤ドラマ。
自分にとっての真実とはなにか。事実を追求することは果たして本当に正しいのか。人はいつだってなにかを選択しながら生きている。その選択は誰が正しいと決めるのか。決定するのは最終的に「自分」。でも自分で決めたことが本当に本当に正しいのか。

だから奥深く、真実を追求したはずのロイの戸惑いそのままに、見終わって複雑な思いが残った。夫の刑が確定し、ロイを見つめるサラは何を思っていたのか。視線をはずし、去っていくサラの姿、ロイとの距離に余韻が残った。

おもしろかったわー。気だるい音楽とともに流れるエンドロールまで、延々と余韻に浸りながら見てしまった。我にかえって、医療ミスの医師たちは、なぜ追及されない? 復讐殺人で始まったのに、情状酌量の一言もなく、そのへんは片手落ちかもしれない。
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